2015年8月25日火曜日

もしも「次」があるのなら?

本編レビューの息抜きとして、こうした雑文をUPするのは案外悪くない気もする。
セイザーXは良くも悪くも纏めるのに苦労する部分があるため、どうしても煮詰まりやすい。
そういうわけで全くとりとめのないことを考えてみる。
今回は、そんな他愛もない内容の一つだ。


去年12月に、東宝が新作ゴジラ製作の発表を行ってから既に半年以上が過ぎた。
とあるエキストラ募集サイトを見ると、撮影予定は今年の秋。具体的には10月~11月だったようだが
その後実際に撮影できるところまで進んでいるのかどうかは、わからない。
来年上映ということらしいのだが・・・。

東宝の、特撮作品に関する動きがにわかに見られるようになってきて
テレビ特撮ドラマについてはどうなのか?という素朴な疑問も覚えた。

少なくとも特撮ヒーロー番組はまず無理と言ってもいいと思う。
スタッフどうこう以前に玩具会社がスポンサーにつくことが必須であるこの手の番組は、
現在の玩具メーカーの数に対してとかく金のかかる実写作品に金を出せる会社がどれだけ居るのか・・・。
これを考えると、まあ無理なんだろうと言うのが素朴な感想だ。
本シリーズにおけるコナミのような太っ腹な会社が出てくるというミラクルは、もうない。
日本の景気が何かの拍子に向上したときに、ちょっとやってみようかな?という企業が出てくるという想像もしづらい。


旧タカラと組んだサイバーコップは、それほどのセールスを上げなかったということもあるが
それ以前に作品の評価としてはカルト作品の枠内に収まってしまっている感もある。
#サイバーコップ以前に、東宝のテレビーヒーロー物はカルト作品のイメージがどうしても付きまとう。

もし作るとしたら玩具メーカーに頼らないスポンサーを多くつけて作る必要があろうが、
それはガイファードの頃にやったものの、どうしても画的なチープさが拭えなかったことを思うと
最低限の映像的クオリティを保とうと思うとよほどスポンサーを多く集めないと無理な気もする。

そして、特撮ヒーロー作品においては上記のように精々がカルト作品止まりの評価しかない東宝製作作品であることを思うと
まず特撮ヒーローオタクを中心とした年長の視聴者があまり期待をしない・・・ というか「半笑いを浮かべながら眺める」くらいしかしなさそうな気もする。
それは、過去作品の評価などが影響しているが故の態度でもあるのでどうしようもない。


こう考えると、もしもスポンサーを抑えたところで特撮ヒーロー物にまた参入するのは相当なハンデを背負っているようにも思える。
超星神シリーズに関しては、川北紘一を前面に押したことで一応視聴者側へのアピールも出来たがその川北も今は居ない。
ノウハウを持ったスタッフを集めるのも骨だろう。中には引退したり亡くなった方も居る。
頑張ってなんとかスタッフを集めたところでどうしても冷ややかな目に晒されることは明らかだろう。
それは他社との比較という厳しい現実込みで。
ウルトラマンがあり、仮面ライダーがあり、スーパー戦隊がある現状を考えたら東宝のヒーロー物参入は検討せねばならない問題が幾つもある。


もし東宝が、テレビ特撮ドラマというものに欲目を出そうと思っているのなら――――――
ヒーローものではない別のものをやるべきだろう。
ヒーローものとなるとやはりスポンサーの問題は出てきてしまうし、スポンサーが運よく見つかっても結局グランセイザーの時同様に期待されていないところからのスタートを強いられてしまう。

とはいえ東宝の特撮ドラマが放送されるとなれば見てみたい気もする。
そんなところで・・・。


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<ここから先は現実的な問題を全て無視した妄想ですので、ご了承下さい>


個人的な意見としては「ホラーもの」で活路が拓けるんじゃないか?とは思う。
これなら(内容にもよるが)玩具メーカーという縛りはある程度気にしなくてもいいし
ライバルと見做される東映や円谷、松竹はこのジャンルについてはあまり強い印象が無い。
やっていないわけではないが・・・。
特に東映はホラーに関しては不得手なのか、割と消極的である。
東映の場合、妖怪ものとでも言うのか、キャラクターものに落とし込んでしまう傾向こそあるが。


ホラーものというものは特に日本では夏に観る物という先入観も強いし
連続ドラマの題材としては難しいのかもしれないが、
かつて平成VSシリーズや平成モスラシリーズと同時進行で「学校の怪談」シリーズをヒットさせていた東宝。
その少し後にヒットした「リング」「仄暗い水の底から」も東宝ホラー映画と見做してもよかろう。

さらに過去にはガス人間第一号などのSFホラーも手がけていた東宝。
#これはその後円谷での「怪奇大作戦」「アンバランス」へ系譜を分かつ。
実は東宝はそれなりにホラー物の実績を積んでいる会社でもあった。
ヒーロー物よりは視聴者の興味はまだ引きやすいジャンルでもあるため、こっちの路線を狙うというのもアリか?とは思った。


あとは、ヒーロー物やホラーより更に難しい「SFドラマ」という方向性もあるのだろうか。
過去に「ケータイ捜査官7」や「MM9」が比較的近い時期に放送されてはいた。
ただ現在はめぼしいものが放送されていないことを考えると、SF特撮ドラマという路線も狙い目なのか?とは素人視点では思う。
思うが、SFとなるとまたややこしい部分も出てくる。
SFファンの視線がまず一つと、それ以上にそれ以外の視聴者への関心をひけるか否か。
結構厳しい戦いを強いられそうだな・・・。 
無論、内容も更に問われるジャンルではあるし。

パニック映画として語られる東宝制作の映画(とテレビドラマ)「日本沈没」もSFドラマと見做せる要素が多いため
やろうと思えば出来なくもない気もするが。
日本沈没で言うSFはサイエンス・フィクションというよりサイエンス・ファクトに近いのだろうか。
#尚、この言い回しは「ガンヘッド」の原田監督の受け売りである。
何もベタなSFに拘らなくても、科学的事実・根拠に基づいたドラマという道もあるだろうし
割と一般視聴者に受け容れやすいようにも思う。
まあシチュエーションとネタにかなり左右されやすい部分はあるが・・・。


そして、日本神話や日本の江戸時代以前の創作物を用いた特撮ドラマというのも面白いんじゃないかと思う。
これは東宝の場合だと「日本誕生」「ヤマトタケル」が該当する。
原作は中国になるが、東宝と関係のある国際放映が制作にも携わった堺正章版「西遊記」がかつてヒットしたことを思えば
伝奇もの、神話ものの特撮ドラマというのもいいんじゃないかと思える。
#もっとも堺版自体がそろそろ40周年に差し掛かっている作品なのだが・・・。

ただ、伝奇小説はまだしも神話の場合は現代人が観ても楽しめるように再構築する必要もある以上
映像の部分もさることながら文芸側の力量が問われるだろう。
古事記や日本書紀のように、同じことを一見書いているようで実は細部がだいぶ違う神話があることを思うと
まずどれをベースに作るべきか?という問題もあるし・・・。



もう一つ、特撮をフルに活かせる娯楽ドラマとしては「戦争ドラマ」がある。
これも過去には東宝の十八番とされていたものである。
8.15シリーズと称される、円谷英二特技監督による特撮シーンが未だに語られるこのシリーズだが
これは実際の戦争の映画化ということもあり、日本では妙にウェットな部分が出てしまいがちでもある。
となれば、上記のSFという要素を加味した「特撮SF戦争ドラマ」という方向も・・・ 考えられるといえば考えられる。
川北紘一が少年時代に多大な影響を受けた「地球防衛軍」が、東宝SF戦争映画の代表作と見做してよかろう。

ただし、上記2ジャンル以上にスポンサーや普通の視聴者は付き辛い内容ではある。
更に軍事オタクというか戦争作品ファンの厳しい審査眼に晒されるところはあるし・・・。
特に戦争映画「プライベート・ライアン」以降音響や撮影・特撮面などの進歩が著しいため余計厳しいところはある。

もっと言うと、陸海空どのジャンルで映像化するのか?というのも問題だ。
海に関しては既に名物・大プールが無くなっている(これはCGの海でもいいような気もしなくも無いが・・・)。
それに海戦自体も頻繁には挿入できないだろう。
ミニチュアにせよCGにせよ、精密なものを作りこむのに日数工数、予算もかかることが想像に難くないし
撮影が進むごとに毎回メンテナンスもせねばなるまい。 CGはまだ別としても。


空に関してはどうしてもセット内での撮影では画が単調になりがち。
そこでCGの空でCGの戦闘機という画を安直に想像しがちだが、空中戦の演出というのも何かブレイクスルーがないと目を引けまい。
本シリーズやウルトラマンネクサスなどで見かけたいわゆる「板野サーカス的ミサイル描写」なども、放送当時はそれなりに目を引いたが
初出を考えるとやはり古臭さは否めない。
アニメやゲームでは、スタッフの層が厚い&新世代のアニメ監督およびゲームデザイナーの仕事や3DCG技術やデジタル作画技術の進歩に伴って
わりあい目を引く空中戦もあったりするのだが、特撮ドラマでもそうした目を見張るようなものが見たいとは思う。
それはバンクやルーチンワーク的なものではなく、毎回違う空中戦であることが前提である。


そして最後に残された陸・・・。  生身の兵士だけでなく強化服兵士というのも既に手垢にまみれているが、新味はまだ出せると思う。
そして戦車をはじめ攻撃ヘリやミサイル車両などの豊富なメカ類も期待できるのだが。

しかし、例えば戦車のCGと言うのはアニメ「ガールズ&パンツァー」を見ても判るように挙動込みでかなり手間のかかるものだし
実写である以上更に現実的なテクスチャを施すとなると相当に時間もカネも掛かるのは想像に難くない。
最低限の合成に留めつつ往年の名作戦争ドラマ「コンバット!」のように人物ドラマ主体のテレビドラマにするしかないかもしれない。
流石に現代のドラマである以上、舞台設定含めてストーリーはしっかり作らないと目を引きそうにないが・・・。


こうしてみると、少なくとも日本のテレビではあまり積極的に作られていないジャンルが揃ったが
なるほどテレビドラマじゃやりづらい内容ばかりが揃ってしまったなあ・・・。
とはいえ、いずれのジャンルにせよ特撮のクオリティだけじゃなくて演出やストーリー、ドラマも拘らないと視聴者は間違いなくソッポを向くだろうことは前提として考慮しなくてはならない。





あ、「恋愛ドラマ」で特撮をふんだんに使うという方向性!!
ありませんかね。

ありませんか。そうですか。
まーベタな恋愛ドラマは特撮全般のオタクとは水と油な関係ではありますが、
割と面白い画が出来そうな気もしなくも無いんですけどね。
ま、今回の更新はこんなところでひとつ・・・。